なぜActionScriptの講座をやめたのか?

●修了率

デザインドリルのActionScript講座で目指していたことは「デザイナーでも習得できる」
ということでした(サムネイル&ディテールやショーケースFlashは仕事で利用する
機会も多いので、ここまでの習得を目標としました。基礎講座までの知識では仕事へ
の活用は難しいでしょう)。
 
ある程度は、この目標を達成できた思うのですが、実際に出席簿のデータを確認すると、
受講者のうちサムネイル&ディテール講座を修了するのは4〜5人に1人と不十分と
言わざるを得ません(以下の修了率を参照)。
 
修了率のデータは開講時から算出していたため、修了率を上げるためにカリキュラム改修
を随時おこなってきました。具体的には教材のサンプルを細分化し、
1つ1つのステップに時間をかけ理解度のアップを目指したのです。
※開始時では入門講座8時間(2日)+基礎講座8時間(2日)が、最終的には
 入門講座24時間(4日)+基礎講座24時間(4日)と3倍になりました。
 
ですが以下の様に、思ったほどの改善には至りませんでした。
—————————————————————-
入門:73% 基礎:42% サムネイル:22%
 ↓
入門:81% 基礎:43% サムネイル:27%
—————————————————————-
授業の理解度はそれなりに上がったのですが、時間数が多くなったため
「こんな簡単なことを実現するのも、こんなに大変なんだ…」という感想が
増えてきたのです。応用力を鍛えるための講座なので、簡単なサンプルでも、それに付随
する知識を多く組み込んだ結果「大変」という印象になってしまったと考えています。
 
それでも入門講座は大抵満席になり、一時は募集開始から24時間以内で定員が
満たされる程で、利益を出すことはできていました。
 
 
 

●FlashからHTML5への流れ

しかし2010年の後半から状況が変わってきました。ほとんど満席だった入門講座が定員に
満たないことが増えてきたのです。この時期にカリキュラムの変更はしていないので原因
は外にあると考えました。
その第一候補はiPhone,iPadなどのFlash非対応とHTML5,CSS3への関心の移り変わりです。
 
実際、雑誌「Web Designing」の白書で「習得したい技術は?」という項目において
これまではFlashが1位だったのが、2011年の白書ではHTML5,CSS3に抜かれることと
なったのです。
 
なんとかしないといけないとは思いつつも、制作の仕事が忙しかったこともあり
大幅な路線変更はせず、ActionScript3.0への移行やクラスなど新しいカリキュラム
追加で対応しようと考えていました。
 
 
 

●地震を期に

そんなところに地震がやってきて、事務所の壁に大きなヒビを入れていきました。
ビルが倒壊するのではないかと不安になり、すぐに事務所を解約したのですが、
これが転機となりました。

良さそうな物件が見つからない中、これからの方針をじっくりと考える機会を得たのです。
「このままの方向でカリキュラムを拡張しても効果は薄いのではないか?」
「もう一度、0からカリキュラムを考えよう!」

ということでスクール業は一時停止し、新カリキュラムの作成に力を入れよう。
とすると大きな事務所は必要なくなるので、事務所の移転先探しをやめて実家に戻り
制作業務を続けながら、新カリキュラムの作成するということになったのです。
 
 
 

●ActionScript3.0への移行について

もっとも改善すべき問題は修了率の低さです。仕事で活用できる技術を持った人材を
社会に送り出せなくては、スクール業を営む会社の存在意義がありません。

それを踏まえるとActionScript3.0の講座を実施するのは難しいと思うようになりました。
ActionScript3.0では簡単なことを実現するにも2.0以上の予備知識が必要となります。
そのため受講時間もさらに長くなり、修了率を上げることは難しいでしょう。

さらに制作の現場で「私はActionScript3.0が使えます」といったら、制作会社は
どのようなレベルを期待するでしょうか?
おそらくは、企業のプロモーションに利用される「フルFlashのスペシャルサイト」の
作成くらいを期待されてしまうのではないでしょうか?

ActionScript2.0以前であれば、デザイン/コーディングの延長としてのショーケースFlash
やサムネイル&ディテールで十分だったものが、いきなり期待度が上がってしまうのです。

それにサムネイル&ディテールやショーケースFlashではテンプレート化が容易なため
カリキュラム化することができますが、スペシャルサイトは企業の企画に合わせて
多様な仕様を取るためカリキュラムとして作成するのは難しくなります。

かといってActionScript3.0でショーケースFlashやサムネイル&ディテールを作成しても、
前述のように制作会社の期待には添えない可能性が高いとなると、学ぶリスクも大きく
なります。ということでActionScript3.0の講座は「当面」作成しないことにしました。
 
 
 
ActionScript2.0の講座をやめて、ActionScript3.0の講座も開かないとなると
なんの講座をやるの?ということで次の記事(jQueryを始めよう)につながります。
 
 

2 Responses to なぜActionScriptの講座をやめたのか?

  1. 先生ご無沙汰しております。
    そうゆうご状況だったのですね。
    自分は、RSSでblogを拝見していたので、
    勝手に「更新ないな〜」などと思っていたのでした(^^;

    新しい講座、自分は期待しています。
    以前も申し上げましたが、先生の本と講座にめぐりあわなかったら、
    スクリプトを書くことはなかったと思います。
    応用力を鍛えるための講座というテーマは、他の講座にはないと思います。
    楽しみにしております。

  2. ActionScriptの講座ではなくなっても、これまでの応用力/設計力に
    重点を置いたスタンスは維持していきます。
     
    jQueryは思いの外、使いやすくActionScriptで培った設計力も
    活かせるので楽しいですよ。yoshinagasさんであれば独学で充分
    マスターできるとおもいます。
     
    jQueryを利用すると簡単にcssも制御できるので、色々な機能が
    追加されたcss3の普及が楽しみにな今日この頃です。
     

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